技術士の紹介
◆ 技術士とは
技術士は、1957年の技術士法施行以来、科学技術の高等の専門的応用能力をもつ技術者を認定する”名称独占資格”として法的に位置付けられ、現在21部門にわたる科学技術の専門分野に、5万人を超える資格取得者が社会で活躍しています。
近年、経済活動のグローバリゼーションへの対応や日本の国際競争力強化を支える技術者に対する期待が高まってきましたので、技術士法が2000年に改正にされ、技術士の公益確保への責務、資質の向上への責務も盛り込まれました。21世紀の技術士には、これまで以上に活躍できる範囲が広がり、技術分野の特徴に応じより一層社会の要請や期待に応えることが求められています。
技術士に対しては守秘義務が課せられており、さらに公益の確保、技術者倫理の遵守の責務が法律に規定されていることから、安全・安心な社会の構築、環境の保全など、現在の日本が技術的に直面している重要な課題に挑戦することで科学技術創造立国の担い手となることを技術士自ら自覚するとともに、社会に働きかけをすることが重要です。
◆ 技術士の定義
「技術士とは、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、分析、設計、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者」(注:技術士法 第2条)
◆ 『技術士ビジョン21』について
(社)日本技術士会は、平成16年に今後の技術士の目指すべき方向を次のように示しました。
◇ 技術士は、安全・安心で活力ある国創りを目指し、環境保全と公益の確保を最優先にして社会に貢献する。
◇ 技術士は高い専門能力に加え、高潔な道徳観と職業倫理をそなえ、公正な判断に基づいて行動する。
◇ 技術士は「公共の安全、環境の保全などに関わる業務」に関し、その責任者となって、国内外でその社会的役割を担う。
◇ 技術士は、その使命と職責を自覚して継続研鑚に励み、常に最高の能力を発揮して行動する。
◇ 日本技術士会は、これらを実践するため、試験制度の実施を含め、各種制度とシステムの充実、体制の整備などを効率的かつ公正に実施する。
◆ 技術士の活躍するコース
次のような立場で活躍しています。
〔独立コンサルタントとしての技術士〕 → 技術コンサルタント
〔企業内技術者としての技術士〕 → 社会対応で技術の顔となる責任者
〔公務員技術者としての技術士〕 → 技術の力量で地域に貢献する責任者
〔教育・研究者としての技術士〕 → 大学工学部の実務指導教官
〔知的財産評価者としての技術士〕 → 技術の力量を持つ知的財産評価者
〔その他職域で活躍する技術士〕 → 企業経営者等
◆ 技術士の21の部門
次の専門分野毎の部門があります。
機械
船舶・海洋
航空・宇宙
電気電子
化学
繊維
金属
資源工学
建設
上下水道
衛生工学
農業
森林
水産
経営工学
情報工学
応用理学
生物工学
環境
原子力・放射線
総合技術監理
◆ 技術士制度に係わる基本的な仕組み
[制度]
(注1) 大学エンジニアリング課程修了者は、現行と同様に、第一次試験における共通科目(数学, 物理, 化学, 生物, 地学からの選択)は免除。
(注2) 修士課程年数等については、内容等に応じて、実務経験年数として算入。また、第一次試験合格前における修士課程年数等についても、内容等に応じて同様に算入。
(注3) 第一次試験合格前の実務経験年数(専門的応用能力を必要とする事項についての計画,研究等の業務に従事した期間)についても、実務経験年数として算入。